サービスデザインで考慮しておきたいUXチェックシート35問
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サービスデザインで
考慮しておきたい
UXチェックシート35問

こんにちは。DeNAデザイン戦略部 デザイナーの宮本です。
今回はサービスデザインをする上で考慮しておくべきUXについて考えたいと思います。

「既存サービスのリプレイス」「新規サービスの立ち上げ」どちらにせよプロジェクト初期段階で考慮する点が重なっていることが多いのですが、毎回白紙の状態から進めてしまうと必ず考慮漏れが起きることから、これを予防するために実際の現場でのノウハウ(失敗)を元に問いかけ形式のチェックシートを作ったので公開したいと思います。

なお、今回のチェックシートはモバイル向けアプリの改修・立ち上げ時を想定した初・中級者向けで、あくまで個人的観点から重要だと思うところを中心に列挙しておりますので、参考程度に捉えていただけると幸いです🙇

戦略・施策設計において

戦略・施策設計においてはターゲットユーザーの鮮明化と、本当にそのサービスが使ってもらえるのか?を重点的に言語化できるようにしています。
また、失敗した時に原因が不明では元も子もないので、次のアクションが取れるような失敗の仮説もリリース前には用意しておけるような問いかけも用意しています。

✅  ユーザーのニーズを満足させる価値はあるか?
✅  ターゲット像は定まっているか?
✅ サービスを使うシーンを想像できるか?
✅  ユーザーの日常に溶け込められるか?
✅  競合と差別化されているか?
✅  市場で独自のポジションを確立できるか?
✅  ビジネスモデルを盗まれても太刀打ちできるか?
✅  拡張性はあるか?
✅  失敗原因を突き止められる設計になっているか?
✅  失敗から分析し、PDCAを回せるか?

体験において

ここで定義する体験とは、本サービスを知ってからダウンロードしてから使い始め〜使用後までを示しています。主に初回起動時にそのサービスのコア体験をいかに明確に伝達できるかに重点を置いた演出などの問いかけが中心となっています。

✅  始める/ダウンロードする動機はあるか?
✅  コア体験を軸にしているか?
✅  始めてすぐに成功体験を与えられているか?
✅  ハマるしかけはあるか?
✅  気が利いているポイントはあるか?
✅  体験に驚きはあるか?
✅  使うための心理的障壁は低いか?
✅  プレイサイクルは必要か?必要であれば存在しているか?
✅  アクティブ層・非アクティブ層の誰でも楽しめるか?
✅  復帰ユーザーに対しても優しいか?
✅  目的と手段が変わっていないか?
✅  「便利」/「楽しい」。どちらを内包しているか定義できるか?
✅  定義された振る舞いをしているか?
✅  誰かに勧めたくなる要素はあるか?

UIにおいて

UIにおいては導線設計やアクセシビリティに関する問いかけを設けています。

✅  プラットフォームの定めるガイドラインに沿って作られているか?
✅  動線は明確か?
✅  考えなくても使えるか?
✅  コアバリューに到達するまでに離脱されないか?
✅  コントラスト比を考慮しているか?

継続利用において

継続利用についてはサービスを利用したユーザーを逃さないような施作や通知方法に関する問いかけを設けています。

✅  貯まっていく資産はあるか?
✅  再訪性はあるか?
✅  サービスを再度開く動機はあるか?
✅  休眠ユーザーを復帰させる手段はあるか?
✅  退会・削除されない要素は含まれているか?
✅  通知を有効的に送れるか?


まとめ

箇条書きで書き連ねてしまいましたがいかがでしたでしょうか?
書き始めるとあれも、これもとなって止まらないので一旦ここで終わりたいと思います。
今回はモバイルアプリ向けでしたが、網羅的な質問集なので他チャンネルでも流用できる質問もあるかも知れません。

勿論、この問いかけにすべて答えることが出来れば素晴らしいサービス!という訳ではありませんが、ほぼ全てを言語化できるとチーム内でのユーザー体験の基本方針がブレずにプロダクトを作れるかと思います。

なお、本シートはデザインを作り始める前の議論でも使えますが、手を動かしながら本シートを頭の隅に入れてデザインをすることをお勧めします。そうしておくとチーム内で言葉の定義がバラバラの状態でもデザインを軸に議論が活性化するからです。

最後に、今作っているサービスと照らし合わせて、この観点が抜けていた!などの気づきになっていただければ幸いです🙏🙏🙏

それでは、良いデザインライフを。

  • Masanori Miyamoto

    Masanori Miyamoto

    Art Director / DesignerShow More