すべてはより良いサービスを創るため
職種を超えビジネス視点でデザインする

Mirrativデザイナー
杉田 哲郎・寿福 まりか

DeNA Creators Interview! 今回は、スマホ画面共有型ライブ配信アプリ「Mirrativ(ミラティブ)」のデザインに携わったお二人にお話を伺いました。世の中にないサービスのデザインを1から作り出す難しさ、新卒で新規サービス開発に携わる喜び、ユーザー数が伸びない時期の苦労、Mirrativリリース前から現在に至るまでの開発エピソードをお伺いました。

Interviewee Profiles

杉田 哲郎(Sugita Tetsuo)

DeNA デザイン戦略室 デザイナー
中途入社4年目。Mirrativの立ち上げから携わり、現在はゲーム事業のUI制作とディレクションを行っている。

寿福 まりか(Jufuku Marika)

DeNA デザイン戦略室 UIデザイナー
新卒入社2年目。学生時代からDeNAでデザイナーとして働き、当時からMirrativのデザイン業務に携わる。現在は、MirrativとMirracle専属のリードデザイナーを務める。

Mirrativ(ミラティブ)とは

Mrrativ

スマホ画面共有型ライブ配信アプリ「Mirrativ」。
「Mirrativ」は、スマートフォンの画面に表示されるゲームや 各種アプリなど種類を問わず、あらゆるものを生配信しながらコミュニケーションができるアプリです。スマートフォンの画面で起きているすべてのことを簡単に生配信できることが好評で、東アジアを中心に人気を集めています。  
Mirrativ

デザイナーから見た「Mirrativ」の価値と可能性。

Mirrativ立ち上げの際、最初にデザイナーを任されたのは杉田さんだと伺いましたが、声がかかった時どのように思いましたか。

杉田さん: Mirrativの事業化が決まり、プロジェクトリーダーに声をかけられた時、サービス内容をプレゼンされながら「僕はこのサービスの価値に共感してくれる人しかチームに入れないから。」という話をされて、その時の勢いと熱意に驚いたことを今でも強く覚えています。Mirrativのようなサービスは当時どこにもなかったので、サービスを利用してくれるユーザーをイメージすることが難しく、どのようなデザインにすればいいのか想像がつかなかったのですが、スマートフォンの画面を共有するというユーザー体験に大きな可能性を感じたので、Mirrativのデザイナー業務を引き受けることにしました。
ただ、ボリュームが大きなサービスになりそうだったので、新卒で入社予定だった寿福さんに声をかけたんです。

寿福さん: 私は大学4年生の6月からDeNAでUIデザイナーとしてアルバイトしていたのですが、大学卒業前に当時の室長に呼ばれて「3つの選択肢からやりたい仕事を選んで。」と言われまして、「コーポレートブランディング」「マーケティング」「新規サービスの立ち上げ」……と3つの選択肢をいただきました。今思うと、かなり浅はかな考えだったのですが、当時同期のなかで“新規事業に携われるのは花形だ”という噂が流れていたので、「新規サービスの立ち上げ」が良さそうだと思い、Mirrativの仕事を選択しました(笑)。
アルバイト時代は、Webサイト制作ばかりやっていたので、アプリのUIデザインを制作するのはMirrativが初めてでした。なので、杉田さんにアプリの制作手順を教えてもらいながら仕事を覚えていきました。

IMG_3316

Mirrativを開発する上で、特に意識したことはありますか。

杉田さん: 配信画面と視聴画面で映るものが全く違うので、配信者と視聴者それぞれのユーザー体験の違いを意識してデザインしました。あとは、サービスをリリースするタイミングで海外に同時展開することになっていたので、どの国の人にも「嫌われない」ということを意識して、テイストやカラーを変えたデザインを50案ほど制作してユーザーテストを行い、デザインの方向性を決めました。

海外ユーザーを最初からターゲットとして意識して制作されていたんですね。リリースしてから、記憶に強く残っているエピソードはありますか。

寿福さん: リリースしたばかりの頃、なかなか利用ユーザー数が伸びない状況が続いていました。なので、どうやったら使ってもらえるのか確認するために、ユーザーさんや配信経験者の方に頼み込んで何度もヒアリングしていました。コアユーザーの方には、携帯端末をレンタルもしていたこともありましたね。そういった小さな工夫を積み重ねて、徐々に同時配信数が伸びていくようになりました。

サービスが伸び悩んでいた時、UIを変更するようなことはなかったのでしょうか。

寿福さん: デザインを変えすぎるとユーザーさんがサービスに戻ってきた時に、初めて見たサービスに触れるような感覚になり、機能を再度覚えて画面に慣れてもらうのが大変なので、なるべく変更せず、Mirrativのイメージを徹底するようにしていました。
ですが、リリース当初とサービスの状況も変わってきていて、1年前は配信コンテンツ数が少なかったのでホーム画面の配信中画像を大きくして、ファーストビューが埋まりやすい状態にしていたのですが、最近では嬉しいことに配信コンテンツ数が増えてきて、ピーク時になると不特定多数の配信コンテンツがページ下部に埋もれてしまう現象が起きているので、リニューアルしたい欲が高まってきています(笑)。成長に合わせての変更は検討していきたいですね。

入社1年でリードデザイナーに。
事業メンバーの一人として、ビジネス視点でサービスを作りたい。

IMG_3301

順調に成長しているMirrativですが、途中で杉田さんはチームを抜けられたんですよね。それは何故でしょうか。

杉田さん: 一緒に仕事をして8ヵ月程経ったタイミングで、寿福さんの成長を見て、一人でデザイン業務を任せられるレベルに成長したと判断しました。チャレンジする機会として、リードデザイナーとしてMirrativを任せてみようという話になりまして、寿福さんにすべての業務を委ねることになったんです。チームを抜ける時は、僕が担当していた業務のヒントが書かれた資料を残して、デザイナーとしてのコミュニケーションの取り方を教えて、様子を見つつ、少しずつ業務から離れていきました。
寿福さんはセンスと才能の塊だと思っているので(笑)会社という枠でなく業界から見ても仕事のできるデザイナーになってほしいと思っています。

杉田さんが抜け、寿福さんはひとりでMirrativ専属のデザイナーとして働くようになったと思うのですが、入社当初とくらべて自身の仕事に変化はありましたか。

寿福さん: UIデザイナーという肩書きではありますが、現在はデザイン業務だけでなくディレクション・プロジェクトマネジメント業務にも携わっています。
サービスの各機能の数字の中で落ちている数字を見つけたらチーム全員で伸ばすためのプランを考えた後、UX / UI設計に落とし込んでいきます。また、プロジェクトメンバー全体の役割配分を把握し、リリースまでのスケジュールを引くような動きも行っていますね。

デザイナーでありながらも、ビジネス職よりの業務を行うのですね。

寿福さん: Mirrativチームには、「ディレクター」や「プロジェクトマネージャー」という職種が存在しないんですよね。今まではエンジニアさんや杉田さんがやってくれていた業務でしたが、ある日を境に私が引き継ぐしかない状況になったというか…(笑)それからは、今まで以上にユーザーシナリオを考えて、必死にプロデューサーを説得しようと動くようになりました。最初はなかなか意見が通らなかったのですが、自分自身で沢山Mirrativを使うようになってからは、ユーザー目線のリアルな意見が提示できるようになったので説得力を得ることができて、意見が通りやすくなりました。
そんなこんなで日々任される仕事の裁量が大きくなっていき、自分の立ち位置や事業の見え方が変わってきました。少しずつではありますが、デザイナーという立場だけでなく、事業を動かしている一人として物事を見ることができるようになってきたと思います。

ディレクション・プロジェクトマネジメント業務は、デザイナーがやるように強制されているのですか。

寿福さん: 強制されているわけではありません。チーム全員が当たり前のように数字を見て、サービスに対して意見を出すような体制になっています。プロデューサーに対しても、違うと思えば意見を言い、代替案を出しています。エンジニアもデザイナーも職種の垣根を超えて、より良いサービスを作ることだけを考えて仕事をしています。

最後に、Mirrativがどのようなサービスになることを目指していますか?デザイナーとして、事業のためにどのような動きをしたいか、目標を教えてください。

寿福さん: 最近はユーザーの幸せや喜びだけを考えていても、サービスとして生き残れないと感じています。しつこいプッシュ通知や、相手が求めていない情報を提示することは、ユーザーに不快感を与えてしまうことが多いと思うのですが、それを恐れて運営側がユーザのコミュニケーションを活発にするための情報の提供を渋っていると、サービスが死んでいくような気がしていて、、。なので最近は不快感を与えないレベルでこちらの要求をすんなり受け入れてもらえるような、UX / UIを追求していきたいと思っています。

IMG_3366

杉田さん、寿福さんお話ありがとうございました!