そのサービス何年続いても大丈夫?!
運用で困らないデータの整理について考える

デザイン戦略室のデザイナーの三嶋です。
今回は社会人人生で何度も同じ問題に直面してきた、地味に困る「データの整理」について考えます。

コンシューマーゲーム開発の時代

少し古い話からします。
昔コンシューマーゲームの開発をしていた時には、 「データFIX」 という概念がありました。
各社によって呼び方が違かったとは思いますが、つまりゲームの発売に伴ってもうこれ以上データが増えたり、更新されたりすることはありませんよという状態のことです。ディスクやカートリッジで販売するので、そこにあるデータが全てです。更新されたり、データが増えたり減ったりすることはもうその時点からなくなります。

発売後に遊んでいて(ああ、ここ超直したい)と思っても直せないというようなジレンマがあったりもしましたが、きちんと締めきりのようなものがあるので、区切りよくPhotoshopや3Dなどのデータを整理することができました。
 その際にチームメンバーで主に決めていたのは下記のようなことです。

<Photoshopなどの整理ルール>
・ Photoshopデータの名前は英語で分かりやすく書く
・ 実装されているデータ名から変更しない
・ 決められたフォルダ構造以外の場所に置かない
・ 決められたフォルダ構造以外にフォルダを増やさない
・ 「レイヤー30」というような名前のままにしない
・ レイヤーの結合をしないで、「スマートオブジェクト」で元データを保存するようにする
・ スマートオブジェクトの中も整理しよう(見落としがち)
・ 「〜のコピー」というデータ名は残さない
・ 不要なレイヤーは削除する
・ 画像の上からの順序に合わせて、レイヤーの階層も上から順に配置する
・ 参考までに残しておきたいレイヤーは「【参考用】とかく」

等々、例えばこのような感じです。例えば 命名規則 であったり、 フォルダ構成 だったりは、開発する最初の段階できっちり決めることが多いです。
そうしないと、1-3年などの長いデータ制作期間にデータがぐちゃぐちゃになってしまいます。途中で人が増えていくことが多いのでそれも考慮して計画します。

また仮に一人でデータを最後まで作ったとしても、コンシューマゲームでは続編が作られることが多く、そうすると数年後にそのデータを直接知らない誰かが見る可能性があります。
そのため、他の人が見ないので適当なデータを作ってもいいということにはなりません。自分が作っている時点で続編の話が1ミリもでていなかったとしても、急に話が出てくることがあるからです。

サービスのアプリ開発の時代

さて、そこから時は移り変わり、サービスのアプリ制作に従事するようになりました。
コンシューマゲーム時代と大きく違かったのは、(サービスによっては)PhotoshopからSketchに切り替わったこと。
他には私がジョインした時点で、最初に作った人がそのチームにはいないことがあったりしたということ。(どこに何があるか聞くことができない)
それに 制作スピードがケタ違いに早く のんびりデータをリリース後に整理する時間など取れないということ。なのであるチームでデータを見たらぐちゃぐちゃでした・・・
わかりますよ!時間がないこととかは、わかるんですが・・・

photoshop_data

他にも運用のフェーズだったりする場合はイベントが季節ごとにあり データが延々に増えていく 状態にあったりすることも今までと大きく違いました。

簡単にコンシューマゲームとサービスのアプリ両方のパターンのデザインデータ制作の流れを図にするとこのような感じです。

制作の流れの比較

data_picture

アプリの開発になると、 運用 というフェーズの意味合いが大きくなってきます。継続して売り上げを上げ続けるためにも、色々なことをする必要があります。そして、サービスは少なくとも利益を上げ続けている限りずっと続きます。まずデザインデータを制作している期間が全然違いますよね。とにかく リリースまで全然時間がない ことが多いです。また、制作する デザイナーの人数が少ない (大体1人か2人のイメージ)というのも大きく違います。

また往々にして 開発の段階ではそもそもリリースできるかわからない ことなどもあり、本来将来を見据えて考えておきたいはずの フォルダ構造命名規則 の取り決めが曖昧なままということも多いです。特に自分一人でデータを作っている場合、わざわざ明記したりしてる人は少ないと思います。PDCAをまわしていく間に、企画そのものが変わったりして、気づけば最初の計画と全然変わっている!ことなどもあると思います。

そんなサービスがもしリリースできて、奇跡的に超当たって、奇跡的に延々に続くサービスとなったとしたら、、、、
あとからそのチームにジョインした人は立派な データ難民 です。どこに何があるかわからないのに、来月のイベントの準備を早急に行わなければならないのです。
大抵新しく人が呼ばれる時は超忙しい時だと相場が決まっているのです。

データ難民にならない(させない)ために何をするべきか

  1. わかりやすい名前をつけるように常日頃心がけよう
  2. 最低限、PhotoshopやSketchのレイヤーは整理しよう。とにかく「○○のコピー354」みたくなるのは避けよう
  3. Photoshopの生成>画像アセット機能を使うと、実装されてるpngがどのpsdデータから作られてるかわからなくなりがちなので、同じ名前でpngとpsdを作り、対のデータとして保存するか、WikiやConfluenceなどのメモにまとめよう。
  4. (リリースできるかわからなくても) 命名規則を簡単にでもつくっておこう。心の中で決めておくのではなく、実際にWikiやConfluenceなどのメモにまとめよう。
  5. (リリースできるかわからなくても) フォルダ構造についての記載を簡単にでもつくっておこう。WikiやConfluenceなどのメモにまとめよう。
  6. UI改修などを行う場合は、デザインの変遷や会議の議事録などをのこして、移り変わった内容がわかるようにWikiやConfluenceなどのメモにまとめておこう。
  7. データ制作の際にできればデータ整理を頭に置きながら作っていこう(あとからまとめてやろうとするときには忘却の彼方)
    <ここからできれば・・・>
  8. 季節ごとのイベントは時期が終わると確認できなくなることがあるので、環境をつくっておくか、毎度のイベントを動画などにおさめておこう。

とにかくメモさえあればギリギリなんとかなります。
みなさんが今担当されているサービスやゲームは大丈夫でしょうか。
わからなかったらLINEで聞いて!みたいなことで終わらせず、しっかり日頃からできる限りデータを整理しましょう。

今現在、データ難民の三嶋より、データ整理について思いをはせたメモでした。
このメモが、何かのお役に立てれば幸いです!