こちらは「Service Designer's Advent Calendar 2018」の、8日目の記事です。
導入
こんにちは、DeNAのPocochaデザインチームです。Pocochaはサービスの特性上様々なオリジナルグッズを作っているので、そのオリジナルグッズ制作方法とその時に得たTIPSをまとめていきたいと思います。
Pocochaとは?
Pocochaは自分でライブ配信をしたり、他の人のライブ配信を視聴することができるソーシャルライブ配信サービスです。ライバーとリスナーがコメントやアイテムを通じてリアルタイムにコミュニケーションを楽しむことを主としたサービスです。
Pocochaでのデザイナーの役割は?
Pocochaの運営はプロダクトチームやイベントチームをはじめ、いくつかのチームに分かれています。Pocochaには6名のデザイナーがいて、各チームと協力しながら、「仕様を企画の人と詰める」「UIの制作」「イベントLPやアプリ内LPなどのLP制作」「制作協力会社様とのデザイン制作」などそれぞれ異なる役割をもって動いています。
Pocochaのオリジナルグッズについて
PocochaではPocochaならではの景品を用意し、利用者の方にもっと楽しんでいただくためにオリジナルグッズを制作しています。また、制作するときは「かわいい!」「欲しい!」と思っていただけるような、オリジナルグッズ作りを心掛けて制作しています。
制作のフロー
- 前提条件の整理
- どんなグッズをつくるかを決める
- 基本情報の整理し、制作協力会社様を探す
- 使い勝手の検証
- アウトプットイメージのすり合わせ/デザイン制作
- 校正用サンプルの作成
- 校正完了後、本生産
大きく分けると、この7工程でオリジナルグッズを制作しています。
1:前提条件の整理
まず、作る前に前提条件を整理しました。
- プレゼントをお渡しする方に関する情報
- どんなシーンでなぜ使うのか
- グッズをプレゼントする人はどんな人なのか
- その人はどんな物をもらったら喜んでいただけるだろうか
- 仕様に関する情報
- いつまでに必要か
- 予算はいくらか
2:どんなグッズをつくるかを決める
前提条件を元に、どんなグッズを作っていくか決めていきます。
Instagramなどで情報を集めながら、「こういう物にしたら、喜んでいただけそう!」とアイデアを出していきました。
3:基本情報の整理し、制作協力会社様を探す
アイデア出しした案の中から実際につくるものを決めて、制作していただける制作協力会社様を探していきます。ただ、雑に「こういうの作りたい」というコミュニケーションでは、もちろんうまくいかないので、事前に基本情報をまとめておき、相談する際に伝えました。
- どんな用途か
- どんな人のためにつくるのか
- どういう使われ方を想定しているか
- どんなアウトプットにしたいか(デザインイメージ/デザイン案)
- スケジュール
- 想定予算
最初は「予算を決めるためにも見積もりが欲しい。」と相談していましたが、予算によって作れる内容が変わってくるということは多々あるので、ある程度チーム内で目安をクリアにしておくと、制作協力会社様とのコミュニケーションがスムーズに進みました。
4:使い勝手の検証
次に、使い勝手の検証をしました。
実際にプレゼントを受け取った方が利用するシーンや目的を想定し、チームメンバーで再現します。「もう少し小さいほうがいい」「これはこうしたい」「ここは変更したほうがいいのではないか」「こうすることができないのか?」と議論を通じて、使い勝手やサイズ感などを確かめながら、詳細仕様を固めていきます。
ぬいぐるみのサイズ感を決める時
5:アウトプットイメージのすり合わせ/デザイン制作
制作協力会社様とメールや打合せを通じて、アウトプットのイメージを固めて行きます。
この時につくるものによっては、デザインデータを作成する必要があるので、その場合は作成します。
6:校正用サンプルの作成
量産に入る前にサンプルを確認し、色やサイズなどの仕様を変更する必要がないか確認していきます。修正がある場合は、制作協力会社様とコミュニケーションをとって修正箇所を明確にします。場合によっては何回か往復し、完成形に近づけていきます。
ぬいぐるみの中身の素材比較
7:校正完了後、本生産
校正が終了したら、本生産に入り、注文個数分を量産していきます。
制作方法
また、グッズは制作する物によって作り方は異なります。今までPocochaでは下記3種類の方法でグッズを作ってきました。
- ノベルティ会社様に依頼して制作
- 加工会社で印刷や彫刻といった加工をして制作
- メーカーにグッズ制作の依頼して制作
1:ノベルティ会社様に依頼して制作
ノベルティ用の商品を用意しているサイトなどを利用して制作する方法です。多数のサイト/多数の商品があるので、その中から自分たちが作りたいものやスケジュールなどにピッタリのもの探して、発注する形です。
スマホアームとセルフィーライトにロゴを入れて制作
2:加工会社で印刷や彫刻といった加工をして制作
UVプリンターやレーザーカッターなどの加工機器を利用して、オリジナルの加工を施して制作する方法です。
スマホケースの模様をデザインし、UV印刷で加工
イベント入賞者の撮影会時のお土産。イベントLPと統一したデザインをアルバムにUV印刷で加工
3:メーカーに問い合わせてオリジナルグッズ制作の依頼
作りたい商品を作っている企業に問い合わせて、一から、もしくは、その会社の商品をベースにしてオリジナルグッズを企画し制作する方法です。
ライバーが配信時に使うオリジナルホワイトボード。使い勝手を考慮したノートタイプで制作
ぬいぐるみ。配信画面に入るようにおいても、邪魔にならないサイズを意識して制作
配信や自撮りなどで使えるサイズ感でプロップスタイプのアイシングクッキーを制作
まとめ
利用者の方に喜んでもらえるオリジナルグッズをまだまだ模索している段階ではありますが、今回作ったものたちはプレゼントした後に、Twitterや配信で紹介していただけたり、Pocochaが実施している配信スキルアップセミナーや、リスナーの方と話すフォーラム、インタビューなどでお会いした方から「可愛い!」「欲しい!」という声をいただいたりすることができました。
TIPS
- 色々な作り方があるので、納期やクオリティを判断基準にして、最適な方法を選択していく。
- 完全オリジナルの物をつくるときは、「作りたいもののイメージ」と「予算」を整理しておいてから、その内容を制作協力会社様に伝えられると初速が上がる。とりあえず見積が必要になっていた時「これくらいで考えている」などをお伝えすると、その中で柔軟に提案をいただくことができ、助かりました。
- 多くのグッズが少なく見積もっても制作に1ヶ月以上くらいはかかるので、早め早めに動くことを心がけることが必要。見積を比較するなどの場合+1〜2週間みておくと余裕を持てる。
これからも、Pocochaでは利用者の方にもっと喜んでいただけるようなオリジナルグッズを制作していきます!
ぜひ、デザイナーのみなさんもサービスのオリジナルグッズを作ってみてはいかがでしょうか?