【SXSW 2018レポート】
どこでも情報が手に入る時代に、
わざわざ現地に行って感じたこと

こんにちは。DeNAデザイン戦略部 デザイナーの宮本です。
2018年3/9〜3/18までオースティンで開催されていたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト:以下SXSW)2018にデザイン戦略部のメンバーと共に視察して来たのでそちらのレポートをお届けします!
細かいテクノロジー・ビジネス関連の話は様々なメディアで流れているので、初めてSXSWに行ったデザイナー目線でまとめています。

SXSWとは?

SXSWとは米国テキサス州オースティンを会場とし、音楽祭から始まり約30年かけて映画祭・インタラクティブ(ビジネス)フェスティバルなどを組み合わせた結果、街全体を巻き込んだ大規模なイベントとなっています。
過去にTwitterやAirbnbなどの新規サービスが注目を浴びるなどしたことから、現在ではスタートアップや様々な企業も世界中から参加しています。
近年は日本企業からの出展も多く、注目度の高さが伺えます。

渡米前の予想

以前からSXSWについては知っていましたが本格的にリサーチしたことはありませんでしたので、渡米前にSXSWについて様々な記事を下調べしてキーワードをつなげ合わせたら下記の様な印象を受けました。
「街中から絶えず音楽が聞こえ、人々は熱狂の渦巻き込まれ、様々な最新テクノロジーやカルチャーに触れ、人生観が変わるほどの刺激を受けるイベント」
と、かなり期待値を上げるうたい文句ですが、真に受けて渡米しました。

会場周囲の雰囲気

東京から約15時間かけて会場のあるオースティンに到着しました。SXSWの会場はオースティンのダウンタウンを中心に様々な高級ホテルや飲食店、野外スペースなど街全体が巨大なイベント会場になっており、会期中には各地で催し物やイベントなどが開かれているので、目的なく歩いていても様々な企業のブースや施策をみることができます。
元々音楽フェスから始まっているイベントからか、夜には歩行者天国になってパフォーマーやミュージシャンがオーディエンスを盛り上げています。カンファレンスやビジネスなどを除くと、まるで都市型フジロックのような印象も受けます(私はフジロック行ったことないですが)。
また、気になる治安ですが、渡米前に下調べしたところ地域によっては治安が悪いとのこと。しかし実際降り立ってみるとオースティン市街地の治安は思っていたよりも悪くなかったです。しかし道によっては急に治安が悪くなったりするのをタクシーから確認することができましたので注意が必要です。

想像を超える膨大なカンファレンスとセッション数

SXSWではインタラクティブ・音楽・映画ジャンルすべてを合計すると2,000を超えるカンファレンスやセッションが同時多発的に行われています。事前に数は多いと知っていましたが、実際に現地で膨大なスケジュールの中で行きたい講演を選択することは想定より大変でした…
スケジュールをザッピングしていても途方に暮れるだけなので、自分の興味があるカテゴリにフィルタリングし、これだ!と思うものに標準を定めてスケジュールを決めなければなりません。
また、注目のセッションなどは行列ができてしまうので早めに行動した方がいいです。

数日SXSWを廻った結果、きっちりスケジュールを組むより余裕を持って街をブラブラと歩いて気になった建物に入って行くスタイルの方が疲れにくく、普段自らが飛び込まない領域の出会いや発見があったのでオススメです。

世界が注目しているビジネストレンドを体感できる

ショーケースやカンファレンスでのトピックはVR, AR, MR, Artificial intelligence, Blockchain, ICO… etc 日本でも巷で聞き慣れたワードが随所にカンファレンスタイトルに散りばめられています。
聞き慣れたワードが並び懐疑的でしたが、実はどの国もテクノロジー方面で向いている方向は一緒なんだなと安心しました。
その中でも国によっては農業やなど注目する分野が違ったのも面白かったです。
また、クリエイティブのクオリティなど世界基準を1箇所で体感できるのは効率的だと感じました。

徐々にビジネスからエンターテイメントに移り変わり、活気付く街

前半はインタラクティブがメインでビジネス関連の真面目なカンファレンスやセッションが多かったのですが、イベント後半には映画や音楽・ゲーム系のイベントが中心に移っていきます。
イベント終盤では昼はビジネス関連を回り、夜からは音楽関連を巡る様なサイクルで過ごしていました。
ビジネス関連のカンファレンスで様々な知識を詰め込む日々を送っていたので、後半に娯楽のコンテンツで発散できるのは新鮮でした。

音楽フェスは思っていたよりも落ち着きのある雰囲気

音楽フェスは渡米前に熱狂に包まれるみたいな表現が含まれていたので警戒していたのですが、SXSWのバッチ(チケット)が高額だからか思っていたよりも人数が限られており、落ち着いてた雰囲気の中、様々なライブを楽しめました。
普段のライブイベントでは見られないであろう有名なアーティストとの距離もかなり近かったのも体験として上質でした。

見逃したセッションがその日のうちにWebで見れた衝撃

ジョン・マエダ氏の「Design in Tech Report 2018」や、早朝から並ばないと見れなかったElon Musk氏の講演など、現地にいてもリサーチミスや観覧困難なものがその日のうちに日本語訳レポート記事が公開されたり、YouTubeでライブ配信していたりしていたのには驚きました。(実際にElon Musk氏の講演を時差ボケの関係で私はホテル内で見ていました…)
日本で普段当たり前の様に感じていたイベント情報の体感速度は、現地にいると何倍にも感じれたのは大きな収穫でした。あのSNS上で感じたイベントの盛り上がりは、とめどなく情報をツイートする人や高速で記事にする人たちの超人ぶりによって作れられていたのかと驚きました。

SXSWにデザイナーが行くと得られること

新たな価値観の軸を手に入れられる

百聞は一見に如かずと言いますが、まさに文化の違いや共通項を肌で体感できたのが一番の収穫でした。以前は日本に閉じた価値観だけを理解していれば問題ないと思っていましたが、将来日本が更にグローバル基準の価値観を準拠するようになる中で様々な背景を理解するきっかけになりました。

ユーザー側として世界のプロトタイプと向き合える

普段デザイナーはユーザーに届ける側でサービスに関わるですが、SXSWでは世界中から様々な課題を元に作り出されたプロトタイプを体験できるので、初見のユーザー目線で課題の深さや解決策の鋭角さを体験することができます。その経験を自身の携わるサービスに置き換えて新たな角度からサービスを考えるきっかけになりました。

アメリカが本場のサービスで本当に提供される体験ができる

やはり本土をメインに展開しているサービスは本土で体験するのがベストです。例えば日本でUBERは使えますが、本来目指した本当の価値は体験できないのが現状だと思います。オースティンの移動はほぼUBERを使っていたのですが、これが本当に提供したい価値だったのか…と喫驚しました。
また、UBERを利用して偶然Teslaに乗ることができたのも貴重な経験でした。乗る前までは所有欲の面では全くTeslaには興味を持っていなかったのですが、圧倒的な乗車体験を経験すると一気に所有欲や好奇心を揺さぶることが出来ることを身を以て感じることができました。

最後に

長文になってしまいましたが、これが初めてSXSWを体験したデザイナーの感想です。
ビジネスとエンターテイメントが混ざったカオスなイベントとされていますが、期間中に詰め込むのではなく明確にON, OFFの切り替えができる素敵なイベントだと感じました。
もっと英語が聞き取れてコミュニケーションができれば更に収穫があったと思われるのが悔しいところですが、オンラインで何でも手に入れられると錯覚しがちな現代において目の覚めるような体験ができました。
既にSXSW2019の申し込みは始まっているので、興味のある方は是非調べてみてください。
以上SXSW2018レポートでした!