こんにちは!DeNAデザイン戦略部 Creative PRの後藤です。
昨年DeNAオフィスで開催して大盛況だった、Webクリエイターの祭典「dotFes」。今年は場所をかえて、2017年11月19日(日)に東京 神田錦町で「dotFes 2017 TOKYO 神田錦町 - テクノロジーとデザインで街を変えよう! 」を開催しました。当日は650名を超えるクリエイターの方々が参加してくださり、会場は活気で溢れていました。
今回の記事では「dotFes 2017 TOKYO 神田錦町」の当日の様子をお届けしたいと思います:)
dotFes 2017 TOKYO 神田錦町
- テクノロジーとデザインで街を変えよう -
公式サイト:http://www.dotfes.jp/2017tokyo/
みなさんは 「dotFes」 というイベントをご存知ですか?
dotFesは、Webを中心とした「ものづくり」の考え方や楽しさを実感できる“クリエイターの祭典”として2008年にスタートして、2017年で10回目の開催を迎えました。東京・京都・沖縄・仙台・福岡の5都市での開催を通じて、多くのクリエイターや学生の発表の場、及び交流の場として機能してきました。
そんなクリエイターの恒例イベント「dotFes」ですが、2017年は東京都千代田区神田錦町にある「テラススクエア」というオフィスビルで 「dotFes 2017 TOKYO 神田錦町」 を開催!
株式会社クスールと、DeNA デザイン戦略部のメンバーが中心となって企画・運営を行いました:)
開催の舞台となった「東京 神田錦町」は、出版社や古本屋など歴史の長い企業やお店が集っており、ここ最近ではデザイン事務所も増え、子供向けのイベントやデザインイベントなどが定期的に行われるなど、活気の溢れた街です。
そんなクリエイティブな場所で、今回は“街”や“地方”をテーマに、地方で活躍するクリエイターや地方で事業を行っている経営者等をお招きし、 「テクノロジーやデザインの力で街をより魅力的にする方法」 について一緒に考え、体験し、お話できたらと思いました。
dotFesのメインビジュアル
毎年「dotFes」は、メインビジュアルを一新しています。
今回の「dotFes」のメインビジュアルを制作したのは、
PRADAや資生堂、PARCOなど、そうそうたる企業のプロモーション映像を手がけ、世界のアートアニメーション&クリエイティブイベント等で作品が上映されている、新進気鋭のアニメーション作家・アーティスト「シシヤマザキ」さんです。
今回の開催テーマに「街」「神田錦町」「テクノロジー」といったキーワードが含まれていたこともあり、VRヘッドマウントディスプレイを装着したシシヤマザキさんが、仮想現実の街を覗いて猫と遊んでいるような世界を描いてくださいました。ピンク色で染まった神田錦町は、また普段の景色とは違って斬新ですね。
今回のdotFesのテーマは「地域のデザイン」
今年のdotFesでは「地域×◯◯」というテーマで、コワーキングスペースを運営しているスタートアップ経営者、コミュニティ運営を行っているデザイナー、都市開発の担当者、地方で活動するデザイナー、スポーツを通して地方ブランディングを行っているデザイナー……等、様々な方々を招いて「地域のデザイン・テクノロジー」について語るトークセッションや、UI/UXデザインのノウハウが学べるワークショップ、インスタレーション作品の展示等を行いました。
1日限定のイベントですが、とても多くのコンテンツを詰め込んでいます。
開演挨拶
イベント当日は寒気が迫っている時期だったため、とても気温が低かったことを覚えています。
寒い中でしたが開場前からポツポツとお客さんが集まりはじめ、年齢層は子供からおじいちゃんおばあちゃんまでと幅広く、今年の参加者も親子連れが多かったことが印象的でした。
メインコンテンツである「トークセッション」は、2つのステージに分けて行われ、それぞれのステージで司会者と運営代表者が開演挨拶を行いました。
1.トークセッション
スペシャルゲストにご登壇いただいた「トークセッション」は、全部で11セッションありました。
どのような内容のセッションが行われたのか?例えば、
・国内外のコワーキングスペースを活用した、クリエイターの新しい働き方
・大手デベロッパーがデザイナーと取り組むまちづくり。
・地域ブランディングには、クリエイターの力が必要だ。〜横浜DeNAベイスターズの歩み〜
上記のように、各セッションにそれぞれテーマが設定されており、登壇いただくみなさんにはテーマに沿ったお話をしていただきました。
すべては紹介しきれませんが、実際に行われたトークセッションをいくつかご紹介します。
Session 1-A:
WeWork|Elizabeth Wisecarver
ツクルバ|中村 真広
セッションタイトル:国内外のコワーキングスペースを活用した、クリエイターの新しい働き方
日本でのフリーランス人口は増え続け、オフィス以外の場所で仕事をする新しい働き方が増えてきています。そして、フリーランスが仕事する場所としてよく使われている場所のひとつが“コワーキングスペース”です。
2017年、世界で人気のコワーキングスペースを運営するスタートアップ「WeWork」が日本に進出し、話題になりました。
このセッションでは、そんな話題のWeWorkのデザイナー Elizabethさんと、日本の様々な地域でコワーキングスペースの運営&コミュニティづくりに力をいれているツクルバ共同代表の中村さんをお招きして、日本のクリエイターのこれからの働き方やコワーキングスペースで働く意味、クリエイターのコミュニティ作りなどについてお話いただきました。
Session 2-A:
東急電鉄|屋比久 美奈子
クスール|河原田 保彦
セッションタイトル:大手デベロッパーがデザイナーと取り組むまちづくり。
多くの若者で賑わいをみせる中目黒に、2016年末に新たな施設が誕生しました。
中目黒駅周辺の高架下空間を約700mに渡って開発された、個性溢れる“SHARE”でつながる商店街「中目黒高架下」です。ここには本屋・デザイン事務所・飲食店・アパレルショップなど多くの店舗が並んでおり「ここに行けば、新しい何かに出会えそう」そんな想いを胸に、毎日沢山の人が訪れています。
こちらのセッションでは「中目黒高架下」の立ち上げや企画に携わった東京急行電鉄の屋比久さんに、中目黒高架下の誕生秘話やこの場所に込めた想い、クリエイターと「中目黒高架下」の関わり方についてお話いただきました。
Session 2-B:
モーフィング|酒井 博基
minna|角田 真祐子・長谷川 哲士
セッションタイトル:トキメキとお金を両立させるクリエイターの生き方とは?生き方・働き方もクリエイティブにしよう!
クリエイターの働き方をサポートするために立ち上がった、クリエイティブプラットフォーム「BAUS」。
今回はそのBAUSの編集長である酒井さんと、グラフィック・プロダクト作りを追求するデザイン事務所「minna」のお二人に、デザイナーとして独立するために必要なことや、お金を稼ぎ方、楽しい仕事をどのようにして生み出すのかなど、お話しいただきました。
Session 3-B:
森岡書店|森岡 督行
YUY BOOKS|小野 友資
セッションタイトル:本を通じて、新しいコミュニティの在り方を考える
時代の変化と共に本屋が街からどんどん消えていく中で、「一冊の本を売る」というコンセプトで銀座に本屋を構えている森岡書店の森岡さん。
Webクリエイターでもあり、本屋も経営しているYUY BOOKSの小野さん。
本屋という従来の手法をとりながらも、新しいコミュニティ作りを行っている二人を招き、本を通じて新しいサービスの在り方についてお話いただきました。
Session 3-A:
Pinkoi Japan | 林 祐実
セッションタイトル:なぜ、インスタ女子は台湾に集うのか?台湾のデザイン事情
Instagramが世界に普及したことによって、かわいい写真をアップするためだけにその場所に行く、インスタ女子が急増しています。
そんな中でも飛び抜けた人気スポットを持つ地域の一つが「台湾」です。
等身大のアイスクリームやネオンのサイン、カラフルなイラスト、ポップなデザインの雑貨などを手にして、多くの女性が写真撮影をします。
なぜ多くの女性が台湾に集うのか?またその人気を呼ぶデザインの工夫とは?台湾に本社を持つ、アジア最大級のデザイナーズマーケット「Pinkoi」の日本支社で働く林 祐実さんに、台湾のデザイン事情についてお話いただきました。
Session 4-A:
横浜DeNAベイスターズ|木村 洋太
NOSIGNER|太刀川 瑛弼
セッションタイトル;地域ブランディングにはクリエイターの力が必要だ。〜横浜DeNAベイスターズの歩み〜
プロ野球集団「横浜DeNAベイスターズ」は、今シーズン2年連続のCS進出を決めるなど、その勢いは止まることをしりません。
そんな横浜DeNAベイスターズは、「コミュニティボールパーク」化構想の打ち出しや「I☆(LOVE)YOKOHAMA」のプロジェクト展開など、スポーツビジネスにとどまらず、“プロ野球による街づくり”を積極的に行っています。
横浜DeNAベイスターズが強いチームへと成長している理由の一つには、スタジアムに多くのお客さまに来場いただくための「地域ブランディング施策」が存在します。
横浜の街を盛り上げる、スポーツ×クリエイティブとは何か?
このセッションでは、それらの戦略に携わっている横浜DeNAベイスターズ 経営・IT戦略部長の木村さんと、横浜DeNAベイスターズの「+B」や「THE BAYS」のロゴ・ブランディングを手がけた、横浜のデザイン事務所「NOSIGNER」代表の太刀川さんにお話いただきました。
Session 4-B:
ウミーベ|カズ ワタベ
インクワイア|モリ ジュンヤ
フィッシャーマン・ジャパン|安達 日向子
セッションタイトル:地方に移住しても、クリエイターは活躍できるのか。
近年、東京から地方へと移住する若いクリエイターやスタートアップが増えています。そして、地方でもそういった若者を受け入れる支援やサポートが充実してきました。
ですが、移住しても働く環境はあるのか?仕事はあるのか?地元の人と仲良くできるか?……知らない土地に移り住むのに、不安を抱かない人はいないのではないでしょうか。
このセッションでは、東京から福岡に移住して“釣り”関連の自社サービスを展開するスタートアップ「ウミーベ」代表のカズワタベさん。東京から石巻に移住して「フィッシャーマン・ジャパン」のデザイナーとして活躍する安達日向子さん。様々な地方で社会課題の解決に取り組む編集コンサルティングファーム「Inquire」代表のモリジュンヤさんの3名が、“地方に移住してもクリエイターは活躍できるのか”お話しました。
Session 5-A:
blue puddle|佐藤 ねじ
Bascule|桟 義雄
メディアアーティスト|坪倉 輝明
バーグハンバーグバーグ| 山口 むつお
セッションタイトル:企画提案は大喜利だ!クリエイティブ大喜利 in 神田錦町!
「こんな案件依頼が来たら、あなたはどのような提案をしますか?」
dotFes の代名詞的な企画「クリエイティブ大喜利」では、インタラクティブ領域で活躍するトップクリエイターを招き、事前に提示した「お題」に対するガチでリアルなプレゼンテーションをしていただきます。
プレゼンターそれぞれが思考プロセスや提案力、技術、発想力などを全力で発揮し、壮絶なプレゼンバトルが繰り広げられました。
すべてのセッションは紹介しきれませんが、どのセッションも内容が濃く、面白く、学びがあり、参加してくださった方々から喜びの声を多くいただきました。
2.インスタレーション作品の展示
今回のインスタレーション展示会に参加してくださったのは12チーム、16作品が会場に並びました。
「地方」や「街」というテーマに紐付いた作品を展示いただいたわけではありませんが、実は出展してくださっている企業さんやクリエイターさんは、大阪・岡山・京都……といった様々な地方から集まっています。
イベント開催前日の朝から搬入を開始して、丸1日かけてセッティングしていただき
普段は広々としているオフィスのエントランスが、この日だけはインスタレーション作品とそれらを楽しむ人でいっぱいになり、会場から子供や大人のはしゃぐ声が聞こえてきました。展示されていた作品は、油性と水性のインクが交わったりはじけたりと変化する作品や、巨大なLEDを活用した映像インスタレーション、実用的なプロダクトなど様々でした。
▲サイバーエージェントさんが開発した新作のARインスタレーション作品「P[AR]TY by AWA」を体験!世界中のあらゆる場所をパーティルームに変換する、 新感覚ミュージックコミュニティ。DJの選曲に合わせた演出でたくさんのオーディエンスと一緒にパーティを楽しむことができる。
▲STARRYWORKSさんが開発した作品「lumen」。光と音しかない空間。 LEDディスプレイとハーフミラーを使用した合わせ鏡の部屋の中で、音楽とともに浮かび上がる光が無限に繰り返され、音と光の「中」に入るような感覚を体験することができる。
dotFesで新作を発表してくださったチームがいたおかげか、インスタレーション作品を目的に来られたお客さんも多かったです。子供も大人も一緒に遊べる作品があり、親子連れのみなさんにも楽しんでいただけたのではないかと思います。
3.ワークショップ
テーマ:アプリデザインを通じてUXを学ぼう
DeNAとクスールが共同で運営する、UX/UIを学ぶオンラインスクール「Delight U」。今回のdotFesではその「Delight U」のプログラム一部をワークショップ形式で行いました。 企画書作成やプロトタイピング、UIデザインの制作まで、DeNAのサービスがどのように作られていくのかを、参加者のみなさんに体験いただきました。
現場で教えたのは全員DeNAのスタッフ。サポートのため参加してくれた新卒入社のデザイナーメンバーも大活躍していました。
4.企業ブース
エントランスには協賛企業や登壇企業の会社紹介ブースや、商品販売ブースを設置。
DeNAは昨年に引き続き、デザイン戦略部について詳しく紹介した冊子(新しくなりました!)を受付にて配布しました。紙と印刷にこだわっています。
最後に - スタッフの活躍 -
dotFesの運営には、DeNAとクスール以外に30名ほどのボランティアスタッフが携わっていました。
この2日間とても寒かったのですが、それぞれ任務に真剣に向き合い、緊張感を持って取り組んでくださいまいした。
スタッフ一人一人をご紹介出来ないのは残念ではありますが、学生さんや社会人の方など、お忙しいなかお力添えくださり心から感謝しています。
** <イベントの様子をもっと知りたい方はこちら>**
・はたらくビビビット|VRやARも!テクノロジー×デザインのお祭『dotFes 2017』がとても楽しかった
・WD ONLINE|dotFes 2017 TOKYOレポート
・DMM inside|新卒デザイナーがクリエイターの学園祭『dotFes2017』潜入レポート! DMM.make AKIBAのIoTについて迫る!
・ CyberAgent Developers Blog|新卒デザイナーが、はじめてARインスタレーションのクリエイティブ制作に挑戦した話。
「地方」「デザイン」「働き方」というキーワードを大きく打ち出したこともあり、参加者はデザイナーの方がとても多く、参加くださったみなさんの楽しんでいただいてる様子を、SNSを通して知ることができて良かったです!昨年に続いて今年も、Twitterで #dotFes のタグが日中トレンド入りしていました。
・当日参加してくださったみなさんの感想はこちら
参加してくださる方、協力してくださる方が多くいらっしゃるおかげで、「dotFes」は10回目の開催を無事終えることができました!
10回目だからといって特別なことはしませんでしたが、遊びに来てくださったみなさんの心に残る作品や人、メッセージとの出会いがあればうれしいです。
2018年もdotFesを開催予定ですが、今年はちょっと変わった場所で開催する予定ですので(近日情報公開!?)ぜひ告知を楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。
また今年もdotFesの会場でみなさんに会えますように!
参加してくださったみなさん、出展くださったみなさん、登壇してくださったみなさん
関係者のみなさん本当にありがとうございました!
今年も良いデザインライフを。